ユーザ事例

グローバルなコラボレーションが可能にするイノベーション・プロセスの変革

SIEMENS POWER GENERATION INDUSTRIAL APPLICATIONS

電力システムの業界リーダーであるSiemens 、マルチCAD 、マルチ・サイトからなるグローバルな製品開発環境を持つ自主的な事業体の連合という組織運営から、高度なコラボレーション環境で統合されたバーチャル・エンタープライズへと変革。

全体は部分の総和以上の力を発揮する

Siemens Power Generation Group (PG) は、世界に33,500人の従業員を擁する電力システムの世界的なメーカーです。このグループの一部門であるIndustrial Applications 事業部は、世界50ヵ国以上に設計センター、エンジニアリング・センター(共に800人規模、なかには2,500人を超える)、これより規模の小さい製造/サービストレーニングセンター、その他各国現地法人などを有し、合計で約11,000人の従業員を擁します。

ガス・タービンや蒸気タービン、プロセス・コンプレッサなどを扱うこの事業部では、製品の設計、製造、サポートを世界中で展開しています。東ヨーロッパ、南アフリカ、またはコストの低い国の製造センターなど、部品の製造場所を検討するときも、世界中の拠点を視野に入れて開発プロセスを考慮しています。激しい競争を勝ち抜くためには、世界中に点在する自主的な事業体の連合という組織運営から、グローバルなコラボレーションと迅速な新製品開発を可能にする統合された事業部へと変革することが大きな課題となっていました。

この課題を解決するためにまずこの事業部が取り掛かったことは、SAP のERP 基幹システムとSiemens PLM Software の製品ライフサイクル管理(PLM)ソリューションの統合でした。「今では当社は、自主的な事業体の連合という組織運営から、ひとつに統合されたバーチャルな組織へと生まれ変わりました。このようなバーチャルな組織にデータを世界中からプッシュできるようなソリューションを探していたのですが、Teamcenter® はまさに打って付けのソリューションでした。マルチ・サイト、マルチCAD の環境を超越する統合バーチャル環境を構築できたため、競争力を高めることができました。」と、Siemens Power Generation コラボレーティブ製品定義プログラムの責任者であるAlan Walker 氏は述べています。 

グローバルな課題の解決には、統合ソリューションが不可欠

このグローバルなバーチャル環境を構築するには、サイト間の地理的な距離や、サイトごとで使用されているCAD、ERP、製品データ管理ソリューションの種類が違うなど、いくつもの問題を解決しなければなりません。サイト間が地理的に離れていれば頻繁な出張が必要となり、通常、片道の出張だけで1人当たり少なくとも1日分の生産性が失われます。Walker 氏によれば、「もちろん、飛行機代もホテル代もかかります。しかし、出張にかかる本当のコストはその人の生産性の喪失です。だからと言って、出張しなければ、ビジネスから取り残されてしまいます。」

使用されているソフトウェアがサイトごとに異なるという問題については、ソフトウェアの種類を統一させるという解決方法ではなく、各種のデータ・フォーマットに対応させてコラボレーションを推進するという解決方法が望まれます。また、データに関して言えば、サイト間で送受信される電子情報のセキュリティも大変重要な問題です。「こうした情報をCD-ROM やメモリ・スティックなどのメディアに保存したならば、簡単に複製できてしまい、セキュリティとしては脆弱です。」と、Walker 氏は指摘します。

サイトが地理的に離れているために生じる問題は他にもあります。設計レビューに必要以上に時間がかかったり、別のサイトで作成済みの設計を再度作成し直したりといったことも起こります。また、設計段階で不適合性の問題を排除したいというのも大きな目標のひとつです。これは、設計に関与しているサイト間の地理的な距離が原因になっている場合があるからです。

コラボレーティブなコミュニティを形成するTeamcenter

グローバルな製品開発に伴うこうした課題を克服するために、Siemens はエンジニアリング・プロセス管理機能とコミュニティを介したコラボレーション機能を備えるTeamcenter を導入しました。設計や製造拠点では、今も変わらずにPro/Engineer やNX™ 、NX I-deas™ など従来のCAD/CAM システムを使用しています。また、サプライヤやサードパーティのデザイン・ハウスを含めたサプライ・チェーン内においても、Solid Edge® やAutoCAD などのソフトウェアを使用しています。これらのサイトでは、コラボレーティブな製品データ・モデルに従って3D ベースで作業を進めています。データをTeamcenter のローカル・データベースに保存していても、今ではTeamcenter のマルチ・サイト機能によってローカル・データベースが相互にリンクされているため、サイト間でアクセスしてデータを常に最新に維持することができます。したがって、プロジェクト・チームの全メンバーは常に適切なデータで作業しているという保証を得ることができます。

Teamcenter では、こうしたエンジニアリング環境だけでなく、製品情報を公開して関係者にアクセス権を割り当てるという方法でグローバルなコラボレーション環境も構築しています。これによって、営業やサービス、製造、サプライヤ、サードパーティなどの他の関係者も製品ライフサイクル・プロセスを通して情報に簡単にアクセスすることができます。

Teamcenter が提供するコラボレーション技術は、実のところ、すでに組織内で広く利用されている簡単なWeb 環境ですが、これがTeamcenter 内の各種アプリケーションと密接に統合されています。コラボレーション、ファイルやデータ、モデルの共有、ポスティングなどをひとつの共通したWeb ロケーションで行うことができます。また、Teamcenter では、特定のCAD システムに依存しない軽量なデータ・フォーマット「JT™ 」で任意のエンジニアリング・データを表示することができます。これまでCAD システムやエンジニアリング・データの管理環境を利用できなかった関係者もエンジニアリング・データを表示してコメントを付けるなどして、設計プロセスの早い段階で設計レビューを行ったり、コラボレーションしたりすることができるようになりました。その結果、Siemens では、製造や据付などの下流工程で発生するエラーを未然に回避しています。

Teamcenter のコラボレーション機能は、多種多様なエンジニアリング・アプリケーション間の障壁を取り除いて、軽量でユーザ・フレンドリなデータ・フォーマット「JT」で製品を表示することができます。元々別々のCAD システムで作成されたモデルをバーチャルに組み立てることもできます。例えば、設計レビューを行う場合、複数のサプライヤから提供されたタービンやプロセス・コンプレッサの各コンポーネントを組み立てて完全なアセンブリとして作成することができます。レビューアは、このアセンブリをスクリーン上で操作して、徹底的にレビューすることができます。さらに、Teamcenter にはWeb 会議機能も搭載されているため、こうした設計レビューにわざわざ出張する必要もなく、プロセス指向のアプローチを強力に推進することができます。

イノベーション・プロセスの変革

「Teamcenter はコラボレーションを通してイノベーション・プロセスの変革を支援してくれます。今では、ミーティングの日程を事前に取り決めなくても、世界中の担当者と瞬時に連携を取ることができます。」と、Siemens Power Generation Group ガス・タービン製品開発担当ディレクタのAlan Wilds 氏は述べています。こうした恩恵は事業部内だけでなく、外部のサプライヤにも広く行き渡っています。なかでも一番の恩恵は、グローバルに行き交う情報のセキュリティと管理の大幅な改善です。

「Teamcenter によって、知的財産の管理が改善されました。インターネット経由ですが、以前のようなリスクは大幅に解消されています。インターネット上の情報は高強度暗号技術によって保護され、しかもトラッキングが可能です。誰がどの情報にアクセスしたかを正確にトラッキングできます。以前とは比べものにならないほど管理が改善され、当社のようなビジネスにおいては非常に重要なことです。」と、Alan Wilds 氏は説明します。

より簡単で(出張回数の低減、ドキュメント提出遅れの低減)、より効率的な(設計レビューの改善、エンジニアリング・データの利用率の向上)コラボレーション環境が整い、Siemens では、迅速な製品化、不適合性の問題からくる無駄なコストの削減といった目標につながる、これまでにない高い生産性を目指します。「グローバル化の波に飲み込まれないためには、世界の物理的な境界を取り除く必要があります。Teamcenter とSAP の統合ソリューションを導入したことで、この目標を達成できる大きな機会を得ました。」と、Siemens Power Generation Group コンプレッサ事業部プロセス最適化/製品標準化担当責任者のAxel Hoynacki 氏は概観しています。

最後に、Teamcenter のコラボレーション環境がSiemens にもたらしたもうひとつの効果が品質の向上です。Hoynacki 氏は、「Teamcenter を導入して以来、設計レビューに要していた時間が大幅に節減され、設計の再利用が増えました。その結果、データの作成と利用に多くの時間を割り当てることができるようになり、製品の品質向上につながっています。これまで個々の自主的な事業体にあったデータが、今ではいつでも正確なデータとして手に入るため、地理的に離れていることからくる不適合性の問題は目に見えて削減されていくでしょう。」と述べています。

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