ユーザ事例

Pratt & Whitney 社の非常に成功している視覚的なエンジニアリングデータの変換

Pratt & Whitney

単なる IT プロジェクトではない、重要なビジネス成功要因として機能する新しい構成管理システム

重要な構成管理

Pratt & Whitney 社のエンジニアリング部門は、経営陣が掲げた大胆なコスト削減およびサイクルタイム短縮の目標を達成するために、製品データの取り扱い方法に新しい命を吹き込む必要がありました。Pratt & Whitney (P&W) 社は、現在稼働している 34,000 の民間航空機エンジンの半数以上に加えて、40,000 を超える軍用機エンジンをこれまで製造してきました。同社は、ロケットエンジン開発でも重要な役割を果たしているだけでなく、陸上の動力装置および海上の推進力装置向けにもガスタービンを生産しています。同社の製品は、ミッションクリティカルであることに加え、何十年にもわたって使用されます。このため、構成管理( CM )、つまり1つ1つのエンジンの正確な部品構成を知ることは、重要なエンジニアリング活動です。「安全性、認証、カスタマーサポートの観点から、構成管理は必要不可欠です。当社もこの領域に多くの労力をかけています」と P&W Information Technology 社のテクニカルアプリケーション担当マネージャである Vito Moreno 氏は述べています。

これまで P&W 社は、開発、生産、およびアフターマーケットの各段階において、メインフレームとサーバベースの構成管理システムを組み合わせることで、製品構成を管理していました。独自に開発したこれらの構成管理システムは、ハードウェア、ソフトウェア、および IT サポートの点でメンテナンスコストがかかりました。このアプローチの別の問題は、さまざまな構成管理データベース(部品表)を同期させるのに大変な手間がかかることでした。「すべての部品表(BOM)の一貫性を確保するには、手動による管理に頼っていました。その作業に途方もない時間がかかっていました」と Moreno 氏は述べています。

市場投入期間の短縮、開発コストの削減、認証後の設計変更の削減に関して、経営陣が大胆な目標を掲げたとき、さらに統合された合理的な製品データの取り扱い方法が必要であることが明らかになりました。Moreno 氏は次のように説明します。「コストを削減するには、構成管理に含まれる冗長性や手作業を排除し、構成管理をメインフレーム環境から外す必要がありました。私たちが必要としていたのは、エンジンのライフサイクル全体にわたって製品データを管理できる、現代的な Web テクノロジに基づく単一のシステムでした。」

市販のソフトウェアへの転換が可能にしたパラダイム転換

P&W 社は、新しい構成管理システムを社内で開発する代わりに、市販の製品ライフサイクル管理 (PLM) ソフトウェアを評価することにしました。そのときまでに、同社は製品開発システムとして、Unigraphics (現在の NX™ ) をすでに標準としていました。NX のソリッドモデリング・テクノロジでは、小さな部品に至るまでエンジンのすべてを定義できました。このため、エンジニアリングのマネージャ陣は、NX モデルだけを新しいエンジン構成の仕様として使用することを決定し、NX データを新しい構成管理システムの全 BOM のソースとしました。

この決定により、CAD と構成管理を緊密に統合する必要性が生じました。これこそが P&W 社が Teamcenter® ソフトウェアを同社の新しいシステムの PLM デジタル・エンタープライズ・バックボーンとして選んだ主な理由の1つでした。「NX と Teamcenter の緊密な統合は、当社の決定理由の大きな部分を占めました」と Moreno 氏は述べています。Teamcenter を使用する別のメリットは、P&W 社のエンタープライズ・リソース・プランニング (ERP) システムである SAP と統合できる点でした。この統合によって、サプライおよび製造アプリケーションを製品構成データでシームレスに更新できるようになるため、この統合は非常に重要でした。

ソフトウェアを同社の新しいシステムの PLM デジタル・エンタープライズ・バックボーンとして選んだ主な理由の1つでした。「NX と Teamcenter の緊密な統合は、当社の決定理由の大きな部分を占めました」と Moreno 氏は述べています。Teamcenter を使用する別のメリットは、P&W 社のエンタープライズ・リソース・プランニング (ERP) システムである SAP と統合できる点でした。この統合によって、サプライおよび製造アプリケーションを製品構成データでシームレスに更新できるようになるため、この統合は非常に重要でした。

モデル指向型構成管理の実現

シーメンス PLM ソフトウェアは P&W 社と協力して、CAD モデル指向型構成管理を実現するために、コアの Teamcenter システムに機能を追加しました。その結果、総合的なエンジニアリングデータ管理ソリューションを提供するために、NX モデルデータ、構成管理機能、デジタルモックアップのためのビジュアライゼーション機能、および革新的な検索エンジンが Teamcenter に統合されました。

現在、P&W 社では、約 8,000 人の従業員が Teamcenter を使用してグラフィカル・データとテキスト形式の製品データに素早くアクセスしています。たとえば、従業員は特定の部品番号についてエンジンデータベースを検索する際、部品の図だけを見ることもできれば、隣接する部品との関連性のなかで見ることもできます。また、部品変更は、以前は部品表の項目として表示されるだけでしたが、今は図でも確認することができます。シーメンス PLM ソフトウェアは、市販のソフトウェアにこのようなアプローチが導入されたのは今回が初めてであると考えています。

この新しいシステムにより、構成管理プロセスは、エンジニアリング設計の副産物にすぎなくなりました。CAD モデルを変更すると、関連するすべての BOM が自動的に更新されるため、これまでのように手動でさまざまな BOM を同期させる必要がありません。

加えて、P&W 社は、同社の紙ベースの設計変更 (EC) プロセスを改革し、Teamcenter の変更管理およびワークフロー機能を使用してデータのフローを自動化することで、プロセスの速度を向上させました。新しい設計変更アプローチでは、すべての関連データ(すべてのレビューアが簡単に理解できる図など)に素早くアクセスできるため、優れた意思決定が促進されます。

Teamcenter 導入の一環として、シーメンス PLM ソフトウェアと P&W 社は、40 年以上にわたるエンジンデータ (古いものは第二次世界大戦までさかのぼる何百万個もの部品、何十万個もの BOM、CAD ファイル) を新しいシステムに移行しました。さらに、シーメンス PLM ソフトウェアは、デジタルモックアップを構成管理環境内で表示できるビジュアライゼーションコンポーネントを P&W の標準とするように開発しました。このビジュアライゼーションコンポーネントは賢く、ほとんどのビジュアライゼーションシステムがするようにアセンブリまたはサブアセンブリ全体を読み込むのではなく、必要なグラフィカル・データだけを読み込むことで、時間を大幅に節約します。

ERP との統合が可能にした迅速なアセンブリ

P&W 社は、1 日に何百万回も ERP トランザクションが行われる、業界でも最大の SAP 導入施設の1つです。ERP システムは、1 台のエンジンを組み立てるのに必要になる 2万5,000 個もの部品の発注および配送を管理するうえで重要です。P&W 社では、2001年10月以降、Teamcenter が SAP に統合されています。

Moreno 氏によれば、この統合はエンジンの納期を守るうえで重要な役割を果たしているとのことです。Moreno 氏は、次のように説明しています。「エンジンの構成は絶えず変化します。それらの情報はすべて Teamcenter によって管理されています。エンジニアリング部門によってエンジンへの変更が認証されると、その情報がすぐに SAP に流れ、新しい部品を供給するようサプライヤに通知が出されます。このように、エンジニアリングとサプライベースの間に人が介在する必要はありません。」

また、Teamcenter と SAP の統合により、整備担当者向けの電子部品の組立指示書を作成するシステムに自動的に通知を行うこともできます。エンジンモデルの開発および生産ライフサイクル中には、何百回もの設計変更が発生します。

Moreno 氏は、Teamcenter から SAP へのこの素早い情報の流れがエンジンの組立サイクルタイムの短縮と製品の品質向上に貢献していることを認めています。「この統合により、認証済みの部品番号が提供され、計画されたエンジンシリアル番号に組み込まれることが保証されます」と同氏は説明しています。

プログラム全体で実現されたコストの節約

現在、P&W 社のすべての開発および生産プログラムは、Teamcenter によって管理されています。ハードウェアやソフトウェアの保守および IT サポートのコストを大幅に節約するため、費用のかかっていたこれまでの4つの構成管理システムは廃止されました。「P&W 社のクライアントサーバ および Web ベースアプリケーション用のインフラストラクチャは既に導入されていたので、Teamcenter への移行は簡単でした」と Moreno 氏は付け加えています。

以前の構成管理データベースを同期させるために行っていた手動の作業がなくなったことも、コストの節約につながっています。これは、Teamcenter によって複数の BOM が統合され1つの製品仕様として管理できるようになったことによる直接の結果です。

おまけに、P&W 社では製品データの精度が向上したことで、顧客満足度も向上しています。「手動の操作によって生じた不一致が見落とされたまま、顧客に手渡す技術情報に含まれてしまう可能性がありました。Teamcenter  に切り換えて以来、その種の問題は劇的に改善されています」と Moreno 氏は説明しています。

これらのコストの削減は、Teamcenter によって可能になったエンジニアリングおよび製造の生産性の向上と相まって、P&W 社がサイクルタイム短縮とコスト削減の必須目標を達成するうえで助けになっています。それこそが、Teamcenter を導入したそもそもの目的でした。「経営陣のサポートと指示がなければ、Teamcenter の導入はこれほどうまくいかなかったでしょう。経営陣は、Teamcenter の導入をITプロジェクトとしてだけでなく、企業目標を達成するための重要な成功要因と考えていました」とMoreno 氏は述べています。

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