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混相流に起因する配管振動をCFDとFEAベースのスクリーニング手法で解析

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混相流に起因する配管振動をCFDとFEAベースのスクリーニング手法で解析

プロセス配管の流体励起振動 (FIV) は混相流に起因するものです。アクセスしにくい水中溶接施設などでFIVが発生すると、応力サイクルの点で構造完全性への信頼が低下します。最終的に懸念されるのは、疲労損傷による炭化水素漏れです。このウェビナーは、評価を改良、高度化するための3段階アプローチを使用したFIVスクリーニングを紹介します。第2と第3の評価には、数値流体力学 (CFD) と有限要素解析 (FEA) に基づくスクリーニング手法を用います。

CFDとFEA: 第2と第3のスクリーニング評価の中核

第1スクリーニングは、FIVなどの事象に対する高位の設計チェックであり、振動の度合い、応力、疲労損傷を直接、推定するものではありません。第3スクリーニングは、一方向の流体構造相互作用 (FSI) 解析に基づくものです。CFDを使用して、配管の構造有限要素モデルを入力として、流体励起力を予測します。第2スクリーニングは、流体励起荷重を電力分布密度 (PSD) 曲線で表します。流体励起荷重は、周波数ドメインで構造有限要素解析を実行するときの入力データです。第2と第3のスクリーニングはいずれも振動レベルと応力を予測し、そこから疲労損傷を導きます。

疲労・故障スクリーニングの手法とツールセットを検証

このウェビナーでは、CFDで予測した混相励起力と高品質の物理実験測定値を比較した結果を紹介します。両者は十分な一致を見せており、CFDモデリングアプローチの精度が十分に確保されていると言えます。さらに、FIVスクリーニングで予測した振動と応力の値と配管の振動測定値を比較したところ、高い一致が見られ、FIVスクリーニングの確度が高いことが分かりました。製造信頼性と連続的可用性など、FIVスクリーニングの3層アプローチがビジネスの観点からどういった利点があるかについて、実際のサンプルケースを使って説明します。

このウェビナーで学べる内容:

  • プロセス配管のFIV問題を評価する3層アプローチ
  • CFDと構造FEAに基づいて複雑性と忠実度を評価する手法
  • CFDで予測した流体励起荷重値と物理測定値の比較検証
  • 振動と応力の予測値を実測値と比較
  • プロセス配管のためのFIVスクリーニング
  • 石油&ガス業界に特化したシーメンスのシミュレーション機能

講演者の紹介

Siemens Digital Industries Software

Ravi Aglave, Ph.D.

エネルギー&プロセス産業担当ディレクター

Ravindra Aglave博士は、原子炉の設計、増殖、トラブルシューティングといった分野で産学両方の研究および実務を手掛けてきた20年以上の経験を有します。数値流体力学 (CFD)、ミキシングおよび反応エンジニアリング、燃焼、反応速度といった技術による解法を専門にしています。現在はシーメンスのシミュレーションおよびテストソリューション部門において、エネルギー&プロセス産業担当チームを率います。CFDシミュレーションコードにモデリングと物理学の新知識を取り込み、業界に展開しています。ハイデルベルグ大学 (ドイツ) にて化学工業学の学士号および修士号、自然科学の博士号を取得しました。AICHEの技術運用諮問委員会、日本の化学工学会の会員でもあります。

Siemens Digital Industries Software

Ravi Aglave, Ph.D.

Director, Energy & Process Industries

Dr. Ravindra Aglave has over 20 years of research and engineering experience in academia and industry in the area of reactor design, scale-up and troubleshooting. His expertise includes solving engineering problems using computational fluid dynamics (CFD), mixing & reaction engineering, combustion and reaction kinetics. Dr. Aglave leads the energy and process industry sector in the Simulation & Test Solutions business unit at Siemens. He is responsible for bringing new modeling and physics knowledge in to CFD simulation code that can be deployed in the industry. Dr. Aglave has a Bachelors and Masters in Chemical Engineering and a Doctorate in Natural Sciences from University of Heidelberg, Germany. He serves on the technology operating council of AICHE and is member of ASME, ACS and Society of Chemical Engineering Japan.