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蒸気タービン起動時の熱伝達係数を過渡CHTシミュレーションで予測する

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 蒸気タービン起動時の熱伝達係数を過渡CHTシミュレーションで予測する

タービンの運転パターンは、再生可能エネルギーの不安定な供給から生まれた、需要の新しいパターンに合わせて変化しています。柔軟な運転に切り替わったことによって、タービンの起動と停止回数が増加しています。これがタービン翼の応力や、部品の寿命、保守コストに、どのような影響を与えるかを把握することが、きわめて重要です。このウェビナーでは、B&B-AGEMAが共役熱伝達CFDシミュレーションを使い、蒸気タービン起動段階の熱伝達係数を予測した事例を紹介します。この係数は熱応力解析と寿命の評価を行う際に必要で、金属の温度分布の正確な予測に不可欠な数値です。過渡シミュレーションの結果は、標準的な解析による相関式データより精度が高く、コンポーネントの応力解析に使用できます。

CFDを使用して、起動と停止時の熱伝達および温度分布を把握する

タービンコンポーネントの金属の温度分布熱伝達係数を予測するためには、周囲の流体の温度とコンポーネントの熱伝達係数の両方が必要です。最新の蒸気タービン設計は、熱伝達境界条件の解析による相関式に基づいて行われるのが普通ですが、この精度には限界があります。この事例で、B&B-AGEMAはSimcenter STAR-CCM+を使って共役熱伝達 (CHT) シミュレーションを実行しました。同社は、定常状態および過渡のCHTシミュレーションを実行し、タービンの起動段階でのコンポーネントの熱伝達係数を予測しました。過渡シミュレーションからわかったことは、局所的な対流熱伝達係数は一般的に、軸方向または円周上のレイノルズ数の増加とともに上昇し、流路渦や馬蹄渦などの渦系に主に影響されるということです。

熱応力予測の精度向上

このウェビナーでは、標準的な解析による相関式によって、起動段階での対流熱伝達がCHTシミュレーションの結果と比べて約40%少なく見積もられることをお話しします。過渡CHTシミュレーションを設計ワークフローに取り入れることで、熱伝達相関式および熱応力解析の精度が向上します。これによって、安全率を最小限に抑え、ひいてはコンポーネントや運用のコストを削減することができます。

このプレゼンテーションは、Realize LIVEで発表されました。このイベントは毎年開催される会議と見本市で、エンドユーザー、業界リーダー、およびパートナーの皆様や、製品のエキスパートなど、全世界のシーメンスデジタルインダストリーズ・コミュニティが集まり、ネットワークづくりや、技術とツールの習得、成長、最適化のための新たな場となっています。