歩行者保護システムの開発と最新のユーロNCAPガイドライン

歩行者保護システムは近年劇的に改良が進み、欧州では2007～2016年に歩行者の死者数が36%減少しています。死者数がこれほど減少したのは、ユーロNCAPガイドラインの品質が改善したからだと考えられています。

TU GrazのCorina Klug助教授は、ユーロNCAP TB024の技術告示の作成に携わり、歩行者保護システムの改善に尽力してきました。このウェビナーでは、Corina Klug助教授がユーロNCAP TB024の技術告示を紹介し、歩行者保護システムについての自身の考えを共有しています。

Simcenterの安全性 / 快適性モデリングチームの技術主任、Cindy Charlotは、歩行者モデルファミリーを使ったテストをユーロNCAP検証プロセスに適合させる方法を紹介します。さらに、Simcenter Madymo TB024パッケージを使用して認証要件を満たす方法についても解説します。

アクティブボンネットの開発を改善

ユーロNCAPアセスメントでアクティブボンネット / フードの設計を合格させるには、仮想テストの結果を提供する必要があります。こうした仮想テストを実行するには、歩行者の人体モデルを使用した歩行者衝突テストが必要です。

技術告示TB024の導入により、安全システム開発者とユーロNCAPの両者が、同じ歩行者モデルパラメーターを使用して自動車の安全性能を確認できるようになりました。この技術告示は、アクティブボンネットの歩行者衝突テストに必要な人体モデル設定の概要を示しています。アセスメントでは、このガイドラインが満たされていなくても、歩行者衝突テストが実施されます。しかし、アクティブボンネット・システムはオフにされるため、「歩行者保護」の性能を提示できません。

TB024歩行者保護システムとSimcenter Madymoの歩行者モデル

シーメンスは、歩行者衝突テストを最適化し、アセスメントプロセスの安全性シミュレーションを支援するSimcenter Madymo TB024歩行者モデルファミリーを導入しました。エンジニアはこの人体モデルファミリーを使用して、ユーロNCAPによるアクティブボンネットのアセスメントに必要な出力をすべて取得することができます。

歩行者保護システムに関するこのウェビナーでは次の内容を学びます。

• TB024技術告示とTB024関連規制の重要性
• 歩行者保護システムに関する知見とその活用方法
• Simcenter Madymo TB024歩行者モデルファミリーを効率的に使用する方法