伝達経路解析 (TPA) を実行するSimcenter Testlabソフトウェアの画像。

Simcenter

伝達経路解析

さまざまな伝達経路解析手法を使用して、振動の問題の根本原因を追跡できます。

エネルギー伝達経路の特定

システムの振動挙動を完全に把握するために、エンジニアは伝達経路解析 (TPA) を実施します。伝達経路解析を実行すると、加振源から指定の受信位置までの固体および空中エネルギー伝達経路を特定して評価できます。

伝達経路解析は、さまざまな振動源とその経路を定量化して、重要な要素、騒音の問題への寄与が最も大きい要素、互いに打ち消し合う要素を判定します。定量化されモデル化された振動源と経路があれば、システムの騒音振動性能を比較的簡単に最適化できます。

NVH性能を予測するコンポーネントベースの伝達経路解析 (TPA)

伝達経路解析の機能

可聴化

時間領域の伝達経路解析 (TPA) モデルを使用して騒音の寄与度を検証します。伝達経路解析モデルを使用すると、パワートレインのコンポーネント、タイヤの摩擦、風、その他の要因の録音を聴くことができます。伝達経路解析モデルは、音響設計や音質エンジニアリングにまで拡張して使用できます。さらにこのプロセスは、過渡的なイベント (エンジンの再始動や加速ペダルのチップイン/チップアウトなど) にも適用可能です。

時間領域伝達経路解析を使用して騒音の影響を検証している、ヘッドフォンを装着した数人のエンジニアの画像。

コンポーネントベースのTPA

車内騒音の発生源がどのコンポーネントなのか、たとえばパワートレイン、路上騒音、HVAC、ステアリング・システムのどれであるかを開発早期段階から予測することは非常に困難です。繰り返される設計手戻りをなくすため、個別の測定済みコンポーネント・モデルを活用して、車両全体の騒音を予測するモジュール型技術が必要です。

これこそがまさに、コンポーネントベースのTPA (伝達経路解析) の役目です。このプロセスはまず、自由速度または最大発生力に基づき、受信機構造とは独立して騒音源負荷の特性評価を行うことから始めます。次に、構造分割手法を用いて、コンポーネントレベルでNVH性能を調査します。このとき、全バリエーションを網羅した車両模型を物理的に作成する必要はありません。こうした早期の予測により、問題を回避し、より現実的な設計目標を設定できます。

コンポーネントベースのTPAの詳細を読む

Simcenterソフトウェアからの自動車部品のビジュアルの画像。

パワートレイン統合

パワートレインの騒音振動エンジニアは、パワートレインからの振動音響エネルギーの流れを追跡して経路の寄与度を特定し、振動音響の結果に影響を及ぼす可能性のある変数を解析します。伝達経路解析を使用すると、複数のバリアントを分析したり、結果を比較して評価することができます。TPAは、完全な車両レベルのNVH性能を最適化するプロセスで重要な役割を果たします。

騒音振動性能試験を行う車両エンジンの画像。

予測パスバイノイズエンジニアリング

パスバイノイズレベル制限の厳格化、認証基準の更新、新技術の導入が進むなか、エンジニアリング・チームは革新的で効率的なパスバイノイズ管理手法を採用する必要に迫られています。シーメンスのパスバイノイズ試験認証ソリューションは、さまざまな制度、規制、指令に関する試験を迅速化するものであり、車両の音響設計やパスバイノイズレベル予測に対応した試験ベースのエンジニアリング手法を実装しています。

制限に合わせてパスバイノイズを下げる自動車の試験を行う機器の画像。

ロードノイズの問題解決

ロードノイズは、車室内の全体の騒音レベルの大部分を占めています。ハイブリッド車や電気自動車では、ロードノイズは、パワートレインの騒音によって打ち消されることがないため、顕著になる傾向があります。伝達経路解析を使用すると、空気伝播騒音の寄与分、固体伝播騒音の寄与分、および前後の車軸の寄与分とサスペンションの寄与分を切り分けることができます。大きな騒音の根本原因を特定し、運転者や同乗者の快適性を向上させる目的でシャーシや車体に加えた変更を検証できます。

Simcenterソフトウェアを使用して自動車のロードノイズの問題解決を実行しているエンジニアの画像。

システムの騒音振動予測

試験やシミュレーションのデータを使用して仮想環境でシステムを正確に作成や組立てを行ったり、開発の異なる段階で変更やコンポーネントに応じた影響の評価を簡単にしたり、組織内のすべてのデータを最大限に活用したりできます。ユーザー・インターフェースは使いやすく、専門家でなくても最終製品の騒音振動性能を正確に予測できます。シーメンスのソリューションを用いることで、貴社の開発チームが開発時間とコストを管理しながら、優れた騒音振動性能を実現できます。

システムの騒音振動予測について詳細を読む
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自動車に対してシステム騒音振動性能予測ソフトウェアを使用する2人の画像。

問題解決とベンチマーキング

実験的な伝達経路解析 (TPA) により、騒音振動問題の根本原因を特定します。この手法を使用すると、システムの騒音振動挙動に関する深い洞察が得られます。発生源-伝播-受信モデルに基づき、正しい対策を設定できます。開発の初期段階に完全なシステムレベルもしくはコンポーネントレベルで、現実的な設計目標を設定できるようになります。

騒音と振動の解析を行う自動車の画像。
ユーザー事例

Renault

Renault社はSimcenterを使用して設計の初期段階からより正確なNVHの仮想評価を実現し、コストを削減しています。

Case Study

物理試作をなくし、NVH予測アプリケーションの性能を5倍に向上

会社:ルノー

業界:自動車 / 輸送機器

開催場所:ブローニュ・ビヤンクール, France

シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェア:Simcenter 3D Solutions, Simcenter Amesim, Simcenter Testing Solutions