ほとんどの機械や車両では、構造性能に影響を及ぼす振動やその他の励起が発生します。これまで長い間、さまざまな製品の構造動力学を理解するために、物理的な試験法が用いられてきましたが、試験はコストと手間がかかるうえ、航空機や船舶のような大型の構造物には適していません。自動車や宇宙船、ジェットエンジン、船舶、電子機器、産業機械の構造動力学を理解する上で欠かせない技術として、シミュレーションが用いられるようになりました。
Simcenterは、動的荷重がかけられたシステムの反応を把握、解析、向上する包括的なソリューションを提供します。50年以上にわたる力学解析の経験に基づいて構築されたSimcenterを使うことで、過剰な振動や応力を効率的に把握して回避することができます。騒音、振動、ハーシュネス (NVH) に関するエンジニアリング、ローター・ダイナミクス、相関に関する専用の解析機能を備えています。
NVH性能は、最終顧客であるドライバーの乗り心地や品質の評価に大きな影響を及ぼします。Simcenterは、NVH特性を予測し、振動騒音の根本原因を解析する統合ツールとソルバーを提供します。インタラクティブにネットワークが表示される機能により、サブアセンブリ・モデルからNVH解析用のフルビークルの有限要素 (FE) モデルを構築することができます。
ガスタービンやポンプなどの回転機械は、定常システムにはないコリオリの力や遠心力など、ジャイロの力を受けます。Simcenterを使うと、回転機械の線形動的挙動を予測することができます。回転機械荷重をシミュレーションし、同期解析および非同期解析を実行してキャンベル線図を生成し、振れ回り周波数と臨界速度を予測し、回転コンポーネントの不安定性を検出します。
Simcenter独自の応答ダイナミクス・ソリューションは、動的解析のアクセス性と効率性を高めます。さまざまな荷重条件下での構造システムの強制応答を、単一の対話型GUI (グラフィカル・ユーザー・インターフェース) 環境で予測できるため、解析の複雑なセットアップや立ち上げに煩わされることなく、動的な挙動を素早く解析して把握することができます。この解析情報を使って設計を比較検討し、新製品の開発プロセスを強化することで、試作段階や生産段階に移る前に設計品質を確保することができます。
製品エンジニアリングの意思決定には、実際の状態を正確に予測するための信頼できるシミュレーション・モデルが不可欠です。相関ソリューションを使うことで、実際の試験データをもとに、シミュレーション・モデルの動的挙動を検証し、改善することができます。Simcenterには、シミュレーション・データと試験の測定データを比較し、相関させる機能があります。モデルを幾何学的に整列させ、両方のソリューションからモードをペアリングし、モード形状と周波数応答関数を表示し、相関メトリックスを計算し表示することができます。
シーメンスのソフトウェアは、FiatがNVH性能の最適化を支援し、騒音問題を数週間ではなく数日で解決します。
会社:Fiat
業界:自動車 / 輸送機器
開催場所:Turin, Italy
シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェア:Simcenter 3D Solutions, Simcenter Testing Solutions
