Simcenter FLOEFD software

シーメンスのCAD組み込みCFDシミュレーション・ソフトウェアを使用すると、エンジニアはCAD設計環境で流体シミュレーションと熱伝達解析を実行できます。直感的なインターフェースを備えており、CADジオメトリを直接使用できるのが大きな特徴です。これにより、CADデータの変換にかかる時間的なコストが解消されます。また、エンジニアは複数の設計スタディを実施し、結果を評価して、形状や動作境界条件の変更が性能にどのように影響するかを確認できます。これにより、開発の早い段階でシミュレーション結果を利用してより良い意思決定を行うことができ、他のCAD主導のエンジニアリング部門とのより円滑なコミュニケーションを支援します。

Simcenter FLOEFDの体積流量の自動検出と自動メッシュ化の技術は、CADジオメトリを直接操作するために設計されています。モデルを単純化することなく、複雑な形状や品質の異なるジオメトリを処理できます。Simcenter FLOEFD Smartcellsテクノロジは、Simcenter FLOEFDの堅牢な埋め込み境界法を用いたデカルト・グリッドによる効率的な自動メッシュ化の中核をなしています。SmartCellsは、1つのセル内の多くの固体領域と流体領域を正確に分割し、計算のために複数の制御体積に細分化することができます。これは、干渉するジオメトリや非常に薄いボリュームなどの困難な条件に自動的に対処するなど、複雑なCADモデルをメッシュ化するために重要です。Simcenter FLOEFDは、ジオメトリの形状に基づいて自動メッシュ細分化を適用します。また、流れや温度勾配が大きい領域のメッシュを効率的に分割するために、解に適応した細分化を有効にすることができます。メッシュをより正確にコントロールしたいエンジニアのために、ローカル・メッシュやマニュアル・コントロールのオプションが用意されています。

Simcenter FLOEFDのメッシュ化およびソルバー技術は、CFD問題をシミュレーションするために、古典的な3次元有限体積数値計算アプローチと経験的および解析的手法のユニークな組み合わせを提供します。比較的粗いメッシュを迅速かつ容易に生成できるため、比較的高い精度を維持しながら、一般的なCFDソフトウェアと比較して非常に効率的で安定して解析できます。

Simcenter FLOEFDを導入した場合、メッシュ作成の段階が数日から数時間に、あるいは数時間から数分に変わったという多数の報告が寄せられています。CADを組み込んだ革新的なメッシュ化技術により、設計エンジニアや専門家でなくても、設計プロセスの初期段階で確実にCFD解析を行うことができます。また、経験豊富な解析者が幅広い典型的なCFD問題に取り組むための迅速かつ効率的な代替アプローチも提供します。

Simcenter FLOEFDには、非常に有能で直感的なパラメトリック・スタディ機能が搭載されています。これを使用して、モデルのジオメトリの変更やさまざまな動作シナリオから、実験スタディの設計を調査することができます。

Simcenter FLOEFDのパラメトリック・スタディ機能と構成の比較を組み合わせることで、エンジニアはジオメトリと境界条件の変更が性能に与える影響をより簡単に理解できます。ユーザーは、数値、グラフ、視覚化された結果とプロットで結果を比較できます。

設計探索には、次の3つの主要な方法があります。

• 「What if」は、一連の変更されたパラメータを使用して、比較ツールを使用して設計結果から最適な解決策を見つけることができます
• 目標ベースの最適化では、単一の入力変数の変動範囲を使用して最適な設計を見つけます
• 実験計画法 (DOE) では、多数の設計変数の変動範囲を設定し、計画点の行列式を解くことができます。次に、応答曲面法を保間して最適な計画を見つけることができます。

さらに、Simcenter HEEDSプラグインが利用可能であり、エンジニアはスマートで効率的な検索と自動化を使用し、基盤となる独自のSherpaアルゴリズムを活用することで、設計空間の探索をさらに実行できます。Simcenter HEEDSは、エンジニアが従来の最適化アプローチよりも迅速に性能要件を満たす、または上回る設計コンセプトを見つけるために役立ちます。

LEDの熱管理は、正しい照明性能と信頼性を確保するために重要です。Simcenter FLOEFD CADの組み込みCFDソフトウェアを使用すると、照明製品を設計するエンジニアは、開発の早い段階から開発全体を通じて照明器具の熱設計を検討して、再スピンを回避できます。

Simcenter FLOEFD LEDモジュールの具体的な機能には、LEDの熱・電気・光を組み合わせたモデリングや、独自のLEDモデルをインポートする機能が含まれます。LEDコンポーネントの熱挙動を詳細にモデル化して、順方向電流下で電力を供給したときの正確なLEDジャンクション温度と、照明器具に取り付けられたLEDの動作光出力 (ホットルーメン) を予測できます。

Simcenter FLOEFDシミュレーションは、Simcenter Micred T3STERによるRCラダーのコンパクト熱モデルの測定データ、Simcenter Micred LED Testerによる光学特性データと組み合わせることができ、システムレベルの研究に使用できる試験データに基づく最高精度のLEDモデルを提供するというユニークな特徴を持っています。

LEDモジュールは、ガラスなどの半透明固体における放射の吸収と散乱をシミュレーションするためのモンテカルロ放射モデリングをサポートし、波長依存性に対する屈折と鏡面反射の効果も考慮します。自動車照明やその他の要求の厳しい用途に対して、エンジニアは結露モデリングを使用して、薄膜の結露、蒸発、氷結の影響、湿度の変化による吸水の影響をモデル化できます。