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ユーザー事例

NXを使用して、乗り物技術の性能と消費者アピールの基準を変えた工業設計企業

Uniwheelは、シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアのソリューションを使用して、コンセプト設計から完全な製品エンジニアリングまでをわずか7か月で完了...

Industrial design company uses NX to set new standards of performance and consumer appeal in rideable technology

Uniwheel

英国のUniwheelは電動車輪の設計とエンジニアリングを手掛けています。画期的でありながらも実用的な電動一輪車の専門企業として、人間工学の観点から走行の快適性を追求しつつ、欧州の安全基準に準拠した電動一輪車を開発しています。

http://www.uniwheel.co.uk
本社:
London , United Kingdom
製品:
NX
業種:
コンシューマー製品 / リテール

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NXのスタイリング機能は非常に優れており、サーフェス機能は必要なものがすべて揃っています。
Carson Brown, 設計者
Uniwheel

クールで便利な通勤通学手段

電動一輪車で街中を気軽に走り抜けるためには微妙な体重移動が大切ですが、快適性と性能にとって重要なのは考え抜かれた設計です。一般的な一輪車を人間工学と信頼性の点から作り変えること、それがUniwheelにとっての工業設計精神です。

ロンドンに拠点を置く同社のディレクター兼最高責任者であるSteve Milton氏はこう説明します。「市販されているほとんどの電動一輪車は比較的シンプルです。クラムシェルの中に電子装置が格納され、四角いペダルが外に出ている構造です。乗り手の意見を聞いたところ、箱型は足が痛くなることが分かりました。そこで我々は、より快適で安全なワクワクする乗り心地を目標に掲げたのです。」

Uniwheelが目指しているのは、完全に考え抜かれたデザインの電動一輪車を最初に市場に出すことです。最初のコンセプトを決めてからわずか7か月後の2015年末に、初めてコンシューマー製品を世に出したことでこの目標は達成できました。PLMのスペシャリストであるシーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアのNX™ソフトウェアを採用したことが、スピード感を持ってこの開発プロジェクトを成功に導いた大きな要因です。

Cool and convenient commuting

一輪でバランスを維持する形状と機能

設計チームは最初のコンセプト段階からNXを使用して、外装となるプラスチックケースなどの基本的な3Dモデルを作成していました。そのモデルをライト、ペダル、モーターの金属部分と組み合わせ、ペダルの表面にあるグリップ部分などを微調整しました。高度なエレクトロニクスとソフトウェア、取り外し可能なバッテリーパック、モーター、車輪のカバーのパッケージングをどうするかが課題です。ワイヤハーネスのための十分なスペースを確保することも必要でした。人間工学の観点から外装部分を設計するということを強く打ち出していたため、3Dの曲線形状が大きな意味を持っていました。設計者であるCarson Brown氏はこのように述べています。「NXのスタイリングは大変すばらしく、サーフェス機能は必要なものがすべて揃っています。」

設計プロセスでは一貫して安全性を重視しており、ペダルやハンドルなどさまざまな部品にセンサーを搭載しています。センサーを使うことで、足が着地したり、ペダルから離れたりしたとき、また一輪車が地面から離れたりしたときには、自動的にモーターが反応します。モーターが限界に達すると、モーターを遮断する機能もあります。

頭を悩ませた部分は車輪とタイヤの設計でした。タイヤの接地面を増やすようにタイヤ圧を調整し、安定性とバッテリ寿命の向上を図りました。設計チームはNXを使用してタイヤの文様を設計し、水はけがよく、接地性にも優れた車輪を開発しました。

400種類程度の部品と25種類の金型をNXで作成、評価することで、干渉や衝突の問題を回避しています。3Dプリンティングを使って試作品を素早い作成にも取り組みました。たとえば双方向ライトは、日中の明るさや運転速度の低下に合わせて角度を変えるなどの調整をしました。

ケースには、衝突耐性を持つ丈夫なプラスティックであるコポリエステルTritan™を選びました。衝撃吸収のために外側をシリコンゴムで覆っています。さらに、物理的な摩擦摩耗試験のための試験用リグを考案し、日常的な使用で一輪車が摩耗していくプロセスを模倣しました。Uniwheelの設計者であるSteve Godden氏はこう述べます。「筐体ケースは非常に複雑です。試験で装飾面の問題が見つかりましたが、表面をより子細に確認して、簡単に調整できます。NXによって、卓越した明確さと精度を手に入れました。」

Balancing form and function on one wheel

予測性でプレッシャーを低減

さまざまな国のサプライヤーが金型製作に関わるため、Uniwheelの設計者が設計意図を正しく伝える手段が必要です。コンピューター支援設計 (CAD) ファイルの直接変換機能とNXにより、金型製作と製造プロセスについて、明快で建設的な議論を交わすことができました。ライトの改良にあたっては、金型を1つ試しただけで済みました。Milton氏はこう述べています。「NXのおかげで、設計当初から確信を持つことができました。すべてをNXでチェックしていたので、サプライヤーから多くの質問が来ることはありません。」

Uniwheelチームは、NXを使用してあらゆる設計要素の統合を最適化できたため、全体重量を2ポンド超減らして24ポンド未満まで軽量化することに成功し、特許出願中のモーター筐体を実現しました。また、組み立てしやすい設計でありながらも、本体ケースのねじ穴を外から見えないような工夫もしました。ロンドンにあるUniwheelの研究開発チームが組み立てにかかった時間はわずか1時間です。2015年12月、最初のアイデアを構想してからわずか7か月後に、最初の電動一輪車を完成させました。

Uniwheelの設計チームにとって、NXの信頼性と安定性は必要不可欠です。設計者であるMark Kennell氏はこう振り返ります。「過去の経験から、NXが堅牢で予測性の高いものであることは分かっていました。意欲的なスケジュールを達成するにはNXが必要でした。」

Brown氏はこう述べています。「これまで使用してきたソフトウェアは1日に2回はクラッシュするなど生産性に不安があり、特に厳しいスケジュールのときには非常に深刻な影響があります。NXは問題が起こりませんでした。」

「NXは業界標準ツールであるのに対して、当社はスタートアップ企業です。しかし、今ではNXなしでは進まないことが分かっています。」設計者のEryk Sokolowski氏はこう付け加えました。

Predictability alleviates pressure

英国初の電動車輪

Uniwheelは、16インチの車輪と1,500ワットのモーターを搭載し、乗り手の足が着地すると自動で止まります。でこぼこ道にも対処できる柔軟性がありますが、一輪車を乗りこなすにはある程度の練習が必要です。ディレクター兼最高責任者であるMilton氏はこう言います。「時速7-8マイル以下の速度で走るため、勢いに乗って横のバランスを取れないところが最も大変です。しかし、潜在顧客にクールな乗り物としてアピールできるとみています。」

英国で設計と組み立てを行っているUniwheelは、足に合うように流線形にするとともに、最大90分の走行を可能にしました。9マイルまでのレンジ設定が可能で、最高時速は12マイルです。また、わずか1時間でフル充電できます。操縦しやすいだけでなく、色とりどりのバンパーも傷が付いたら交換したり、ペダルを変更したりといった、カスタマイズも簡単です。

アシスト付きの1人用乗り物への需要の高まりを見据えて、Uniwheelはすでに将来の開発を視野に入れています。Milton氏はこう述べます。「重量性能を非常に重視しており、NXのCAE機能をさらに拡張する予定です。」

Miltonは初年度をこう振り返っています。「NXの高い信頼性こそが当社にとって意味があります。スタートアップ企業である当社は意欲的な目標を掲げています。設計から製造までのすべてを手掛けた経験のない若いチームですが、NXによって、1枚の図面に描かれたアイデアを完全な製品にもっていくことができると信じていました。」

The first U.K. electric wheel
NXのおかげで、設計当初から確信を持つことができました。
Steve Milton, 最高責任者
Uniwheel