Skip to Main Content
ユーザー事例

シーメンスPLMソフトウェアのソリューションによって、製造業へ進む学生が必要なスキルを習得

清華大学が製造業での成功を目指す学生を指導...

Siemens Digital Industries Software solutions prepare students to enter manufacturing industries with high-level skills

Tsinghua University

清華大学の基礎産業訓練センターは、エンジニアリングを学ぶ学生の訓練拠点であり、技術イノベーションの推進する基盤です。同センターではトップクラスのイノベーション・スキルを目指してエンジニアリングの訓練に力を入れており、高い水準の科学研究を実現しています。

http://www.tsinghua.edu.cn/publish/thu2018/index.html
本社:
Beijing, China
製品:
NX, Teamcenter, Tecnomatix

共有する

「今回の提携は新たなソフトウェア・プラットフォームの導入だけにとどまらず、大学における専門課程の教育と指導のあり方に大きな変化をもたらしました。その結果、才能ある人材の教育に対する意義と効果を高め、科学研究の業績に新たな道をひらき、スキルに応じて資質を評価するシステムを確立します。」
Luan Yan , 北部チャネル・マネージャー
Siemens PLM Software

北京市の北西部郊外にある清華大学は、中国でもトップクラスの大学であり、高度な学術人材の輩出と科学研究を支える重要な拠点となっています。製造業界の持続的な発展および技術的な変化に対応する人材は着実に増加しています。また、求められる資質、品質、教育システムが持続的な改善を進めるなか、製造業のスキル開発にも進展が見られるようになってきました。「中国製造2025 (Made in China 2025)」構想で強調されているのは、研究開発 (R&D)、変革、生産から、製造部門向けの経営管理までにわたる能力を訓練するシステム、そして「世界の工場」から世界的な超製造大国へと中国が変貌するための能力開発です。

シーメンスPLMソフトウェアは、デジタライゼーションをさまざまな業界に組み込み、中国の企業との協業を継続することで、「中国製造2025」を推進します。また、シーメンスPLMソフトウェアは社会と教育にも深く関与しています。シーメンスPLMソフトウェアのアカデミック・パートナー・プログラムは、デジタル技術のスキル教育に向けたグローバルな戦略的プロジェクトです。アカデミック・パートナー・プログラムは中国の工科大学と協働して、設計、製造、エンジニアリング教育を促進し、さらに質の高いデジタル能力を持つ人材を育成しています。

「デジタル技術は、未来の産業が進むべき方向を表しています。したがって、デジタル技術に関連するエンジニアリング・ソフトウェアを教育現場に導入すること、仮想と現実を結び付けた指導をすることが教育現場には求められています。」と清華大学の基礎産業訓練センターのJianmei Wang教授は述べています。

null

時代に呼応し、今日的であり続けること

新たな技術、業種、業界が活況に沸くなか、各大学に期待されているのは、学生を教育することと、エンジニアリング手法に対する理解を深め、イノベーションや複数の専門分野にまたがる統合を実現することです。

2016年12月、中国の教育部、人力資源・社会保障部、工業・情報化部が共同で「製造業のための人材開発計画指針」を公布しました。2017年2月には、教育部がエンジニアリングの新たな研究および研修を実施する通達を発布しています。これらの行政機関は、工学教育改革の進展に努めるとともに、エンジニアリング教育や新興産業、ニューエコノミーの発展、実業界の要件に関わる問題を扱うナレッジベースを技術系学生向けに拡充しています。

製造業を希望する学生の増加にともない、高いスキルを持つ人材の育成に製造業が果たす役割が大きくなってきたため、エンジニアリング系人材の構成、資質、および教育システムが次第に向上してきました。この分野でも、清華大学はシーメンスPLMソフトウェアのパートナーです。

清華大学は複数企業と連携して課程の開発を進めています。同大学の基礎産業訓練センターは、新たな経済動向を踏まえ、学生の実践的な能力、イノベーションの資質、複数の専門分野にまたがる教育に関する総合的な向上の調査を実施しています。この訓練センターの主な業務には、教育内容に新たな技術を継続的に導入すること、アディティブ・マニュファクチャリング、ロボティクス、ビッグデータといった新分野の探究、そして実践的な指導を通じての情報の統合が含まれます。新たな実践教育の場は、学生の間に革新的な思考をもたらし、さらに良い反応を生み出すことができます。

同センターは、第一級のエンジニアを養成する場として、清華大学の学生に向けて包括的なエンジニアリング教育、一般教養、イノベーション教育を初め、エンジニアリング文化と質の高い教育を推進しています。

このセンターの指導要綱は、清華大学の使命である「4つの統合」、「1つの体と2つの翼」というイノベーションとベンチャーの理念を実践する方針に基づいています。2016年9月に、教務部門の指揮の下で、複数の大学や学部がパートナーを組んで技術イノベーションの副専攻課程を設立しました。これは、二重イノベーションをテーマにした中国初の副専攻課程で、体系化されたイノベーションおよびベンチャーに関する教育を目指したものです。

「シーメンスPLMソフトウェア製品を自動化分野に活用できるという利点を生かし、同センターでは清華大学における仮想化教育に適したソリューションを提供できます。」とWang教授は語ります。

シーメンスPLMソフトウェアはインダストリー4.0の主唱者です。仮想世界と現実世界の融合に向けたデジタル・ツインを掲げ、製品設計から製造までの開発プロセス全体に対応する幅広いソリューション・ポートフォリオを提供しています。2016年に、基礎産業訓練センターは、設計から製造までのライフサイクル・バリューチェーンを実証するために最初のシーメンスPLMソフトウェア製品を導入しました。個別の製品を活用しながら、学生がR&Dプロセスに参加し、製造プロセスを系統立って考えることができます。

最先端のソフトウェア・ソリューションを導入

基礎産業訓練センターは関連する科学研究の指導を計画および実施し、デジタル・プラットフォームおよび仮想シミュレーション技術の導入方法を常に探究しています。仮想と現実をうまく統合させるため、実際の経験とシミュレーションを慎重に組み合わせています。オペレーションの原則を学んだ学生にとっては、シミュレーションを活用することで、抽象的な概念を理解し、理論的な知識を得ることができます。そして、実践的な経験を通じて、知識の応用力と深い理解力が身に付きます。この組み合わせによって、学生は実践的な知識を倍増でき、経験不足による落とし穴を回避できるのです。デジタル工場で即戦力となる学生を育成するため、清華大学はシーメンスPLMソフトウェアからソフトウェア・プラットフォームを導入しました。

現在は、NX™ソフトウェア、Teamcenter®ポートフォリオおよびTecnomatix®ポートフォリオを中心としたシーメンスPLMソフトウェア製品を使用しています。NXソフトウェアは、製品設計からエンジニアリング、製造まで、製品開発に必要なすべてがそろった柔軟で効果的な統合ソリューションです。Teamcenterは、統合された製品ライフサイクル管理プラットフォームであり、人材、プロセス、ナレッジをシームレスに結び付け、開発を促進し、生産性を向上して、社内外の協業を強化します。Tecnomatixデジタル・マニュファクチャリング・ソリューションは、プロセスのレイアウト計画および設計から、プロセス・シミュレーションおよび検証、製造実施および生産技術まで、製造のさまざまな分野を関連付けます。使用するステージの異なるこれら3つのソリューションを共に使用することで、製品設計のシミュレーションと検証、製造、シミュレーション、製造フロアのレイアウト、装置の稼動状況まで製品ライフサイクル全体を網羅します。

基礎産業訓練センターは、2016年からシーメンスPLMソフトウェアを使用しています。シーメンスのロボット・シミュレーション・ソフトウェアであるTecnomatixは、学部学生向けの機械の製造訓練に利用されます。このソフトウェア・プラットフォームを使用した別の課程も現在、開講準備中です。Tecnomatixは、同訓練センター内の全学向けのコンピューター・ルームおよび展示ホールにあるコンピューターにインストールされています。学生はこのソフトウェアを利用して、講義の課題、研究プロジェクト、コンテストやイノベーション、ベンチャー事業への取り組みを含む、さまざまな科学研究活動を行うことができます。

基礎産業訓練センターは、産業用ロボットのシミュレーションおよび実験学科を創設し、ここで学生たちがTecnomatixソフトウェアを使って、産業用ロボットのモーションコントロール、モーション・パスプランニング、ツールの操作を学んでいます。座標系間、姿勢、パスプランニング、作業空間など、基本的な概念と実装手法を学生が理解しやすいように、単純な事例を使って抽象コンテンツが直感的に表示されます。まず基本的な知識を見つけた後で、学生達は、ティーチングモードとオフラインプログラミングを使用して、すぐにロボットを理解、操作できるようになります。

教育プロジェクトの一環として、シーメンスPLMソフトウェアは教材や講義のノート、シーメンスが開発した講座を含む包括的なサポートサービスを行っています。同センターではソフトウェア・アプリケーションを使用できるように教員にトレーニングを行い、その後、指導用のドキュメントを教員に配布しました。また、シーメンスおよびそのパートナーは同社のソフトウェア・プラットフォームをベースとした開発事例で教員を支援し、教材の提供およびコース開発のサポートを行っています。

Introducing leading-edge software solutions

デジタル工場に対応できるエンジニアの育成

デジタライゼーションと産業化の融合によって、製造技術は材料の製造から情報の製造へと変化しました。ナレッジは製品とその製品ライフサイクル、特に生産および製造段階に反映されるにつれて、その価値が高まりつつあります。新たな能力が求められるなか、各大学は目的別学科の創設と課程改革を進めています。

基礎産業訓練センターは、企業および大学の間における協力の重要性を認識し、これを育む方法を探ってきました。同センターでは工学系の学習教材開発への参加企業を受け入れ、ハードウェアおよびソフトウェアの指導をサポートしてきた複数のグローバル企業の協力を得てきました。イノベーションおよびベンチャー事業に関する講座では、著名な起業家たちが教鞭を取ります。さらに、学生は複数回の企業訪問を通じて、実践的な業界経験を得ることを奨励されます。

シーメンスPLMソフトウェア製品の手順を学ぶコースのほか、このソフトウェア・プラットフォームを実際に使用した独自の科学研究活動もスタートしました。シーメンスPLMソフトウェアと清華大学の提携は、スマート製造における正確なオンライン検出技術およびアプリケーション、デジタル・マニュファクチャリングにおけるPLM、医療業界における3D技術などの関連講座を研究する計画によって継続が期待されています。

デジタル技術は、未来の産業が進むべき方向を表しています。したがって、デジタル技術に関連するエンジニアリング・ソフトウェアを教育現場に導入すること、仮想と現実を結び付けた指導をすることが教育現場には求められています。
Luan Yan , 北部チャネル・マネージャー
Siemens PLM Software