革新的でコラボラティブ、かつ同期姓を確保した新規プログラムの管理
ICCO EMTは、ルーマニアの電子機器メーカーであり、欧州およびルーマニア市場を対象に、自動車、医療、産業、家電といった幅広い顧客とアプリケーション向けにPCBの製造 / アセンブリ・サービスを提供しています。1998年に設立されたICCO EMTは、新製品の高速生産に日々取り組む多品種サプライヤーです。
ICCO EMT (Electronic Manufacturing Technology) は、ルーマニアのKulicke & Soffa (K&S) のピックアンドプレース機械の再販業者としてスタートした電子機器メーカーです。現在、ICCO EMTはK&Sの顧客でもあり、その機器を使用して、自動車、医療、家電など、さまざまな事業や市場向けに高速、高品質の製造サービスを提供しています。ICCO EMTはICCOグループの一部です。3つの表面実装技術 (SMT) ラインを使用して、年間55の新製品導入 (NPI) と350万の完成品を製造しています。3つのSMTラインのうちの2つはモノのインターネット (IoT) ボックスに接続しています。
競争が激化する今日の電子機器市場でメーカーは、「品質を犠牲にすることなくプロセスの速度と効率を改善しなければならない」という絶え間ないプレッシャーにさらされています。多品種少量生産メーカーとしてICCO EMTは、複雑さや部品表 (BOM) の増大、それに伴うエラーや無駄の増加といったNPIの課題に日々直面しています。多種多様な製品を製造するには、エラーを減らし、問題の発生をリアルタイムで通知できる、優れた制御システムが必要です。
さらに、ICCO EMTの顧客の中には、部品の消費と組み立てを追跡できる特別な消費レポートを必要とする顧客もいます。シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアのソリューションを採用する前は、ICCO EMTは手作業で在庫 / 製造問題を追跡し、手動で作成したレポートを顧客に提供していました。
かつてICCO EMTは、欧州におけるK&SのIX / Iflexピックアンドプレースシステムの販売代理店でしたが、同じK&Sの機械を使用して、独自のプリント回路基板 (PCB) のアセンブリを始めました。K&Sの販売代理店と顧客としての二重の役割を果たすICCO EMTは、新しいK&Sソフトウェアリリースのベータサイトとしても機能しています。このWin-Winの関係で、ICCO EMTは最先端のソフトウェアにアクセスでき、K&Sは実稼働環境でソフトウェアをテストできます。
このため、ICCO EMTはK&Sのソフトウェア開発プロセスに深く関与して影響力を行使し、安定した微調整済みソフトウェアシステムのリリースに不可欠なフィードバックを提供しています。ICCO EMTは、シーメンスの顧客であるK&Sとのパートナーシップを通じて、シーメンスを知るようになりました。シーメンスは、K&Sの製造ソフトウェア向けに、相手先ブランド供給 (OEM) 資材管理機能を提供しています。
K&Sと緊密に関係するなかでICCO EMTは、シーメンスのデジタル製造ソフトウェアを知り、シーメンスのソリューションを自社で使用するために評価しました。
ICCO EMTは、すべてのプロジェクトでValor™ Process Preparationソフトウェアを使用してプログラムを構築し、ステンシルの設計も行っています。ICCO EMTの多品種製造では、複数のプロジェクトを同時に計画する必要があります。Valor Process Preparationを使用すると、2〜3の製品を同時に計画できます。
ICCO EMTの生産チームは、Valor Process Preparationを使用して、コンピューター支援設計 (CAD) システムで設計されたコンポーネントの方向と位置を自動的に確認し、時間を短縮しながらエラーと無駄を削減します。
ICCOのテクニカルディレクターであるMarius Stepanescu氏は、次のように述べています。「初回から上手くいくようになりました。Valor Process Preparationを使用すると、エンジニアリングプロセス全体をデジタルで実行し、基板の複雑さによっては処理時間を2〜3時間短縮できます。向きや位置を確認する必要がないため、大幅な時間の節約になります。
「以前は、粘着テープのプロセスもありました。基板を1つ作成すると、チェックして修正しなければなりませんでした。ICCO EMTでは週平均で4つのNPIを行い、さらに中小規模のバッチも生産するため、このプロセスだけで少なくとも10時間の節約です。初めて、複数のプランを同時に作成できるようになりました。」
ICCO EMTは、Xceleratorの一部であるOpcenter™ Execution Electronics IoTソフトウェアを使用しています。この包括的なポートフォリオはシーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアのソフトウェアとサービスを統合し、生産プロセスの解析と改善に使用する貴重な製造データを取得することができます。あらゆるLinuxベース・システムで実行できるOpcenter Execution Electronics IoTは、ライン上のデバイスに簡単に接続し、製造現場の性能の包括的なデジタル・ツインをリアルタイムで生成します。
ICCO EMTは、Opcenter Execution Electronics IoTを導入することでオペレーションを合理化し、複数のコントローラーを単一の中央IoTコントローラーに置き換えることができました。統合コントローラーはすべての機械からデータを収集し、ICCO EMTユーザーがログインして携帯電話でデータを表示できるようにします。
次に、IoTで生成されたデータはOpcenter Intelligence Electronicsに送信されます。Opcenter Intelligence Electronicsは、強力な解析およびレポート機能を備えており、ICCO EMTは基板固有のデータのコンパイル / レポート、トレーサビリティデータの保存 / レポート、ピックの問題や廃棄率のレポートを含むあらゆる品質問題の修正など、さまざまなコンプライアンス / トラブルシューティング機能を実行することができます。
レポート機能で傾向を特定し、機械の稼働時間 / ダウンタイム、不良率などを追跡して、必要に応じプロアクティブにメンテナンスを実行できます。さらに、投入される材料を追跡する機能は、在庫レベルの低減にも役立ちます。ICCO EMTのエグゼクティブディレクターであるNicolae Pindaru氏は次のように述べています。「Opcenter Intelligence Electronicsは、製品品質の改善に非常に役立っています。製造プロセスのすべての段階を詳細に把握し、効率を最大化するにはいつ、どこで、何を実行すべきか正確に分かるようになりました。」
Stepanescu氏は、次のようにも語っています。「現在、レポートはOpcenter Intelligence Electronicsによって自動生成されています。非常に正確な情報で、お客様の問い合わせにも迅速に対応できます。」
さらにICCO EMTは、Valor™ Material Managementソフトウェアのトレーサビリティ機能を活用して、PCBごとに一意のシリアル番号を生成しています。これは現在、医療および自動車の顧客の一般的な要件となっています。このシステムにより、コンポーネントをサプライヤーまで遡ることができます。
ICCO EMTは、Valor Process Preparationを使用してエンジニアリングプログラミングを20%加速し、機械プログラムの生成にかかる時間 (1基板あたり) を2〜3時間短縮しています。性能データは、かつては履歴レポート形式でのみ利用可能でしたが、必要に応じてリアルタイムでアクセスできるようになりました。問題はすぐに修正でき、廃棄は最小限に抑えられます。ICCO EMTは、Opcenter Execution Electronics IoTとOpcenter Intelligence Electronicsの自動データマイニングプロセス / 解析機能を使用して、製造現場のプロセスを20%加速し、エラーの数を半減させました。
このシステムの資材管理機能は、要求プロセスを合理化して、至急の注文が必要になる事態を回避し、ラインを稼働させ続けるのに役立ちます。
ICCO EMTは、ジャストインタイム (JIT) 資材管理計画を実装する予定で、この実装を心待ちにしています。これにより、倉庫から直接、資材を使用できるようになるため、ラインの隣にある資材置き場も無くせます。さらに、先入れ先出し (FIFO) 制御や倉庫の湿気監視の実装、エンタープライズリソースプランニング (ERP) の統合も計画しています。