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ユーザー事例

設計エラーの確率を25%低下

VeSysを使用して機能試験の時間を50%短縮したCarraro Group...

Reducing design error probability by 25 percent

Carraro Group

Carraro Groupはトラクターからコンバイン・ハーベスターまで、農業機械のソリューションを設計、製造する企業です。車軸トランスミッション部門を設立したCarraro Groupは、世界的な大手農業機械メーカーの重要なパートナーになりました。

http://www.carraro.com/
本社:
Rovigo, Italy
製品:
Capital, Capital Essentials
業種:
重機

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VeSysとその新しい手法を使用することにより、当社はエラーをなくし、新製品の市場投入期間を短縮できました。また、顧客が機械の修理に時間を取られることも、生産性が低下することもないと自信を得られます。
Paolo Righetti, エレクトリカル・コンピテンス・センター 所長
Carraro Agritalia

生産者の作業と生活の質を改善

Carraro Groupは生産者の作業と生活の質を改善させることを目指し、1932年に設立されました。同社はトラクターからコンバイン・ハーベスターまで、農業機械のソリューションを設計、製造する企業です。車軸トランスミッション部門を設立したCarraro Groupは、世界的な大手農業機械メーカーの重要なパートナーになりました。グローバルな企業として9か所に工場を持ち、3000人以上を雇用しています。

さらに、ハイブリッド・トラクターや、衝撃を感じないeトランスミッション製品をハイブリッドおよび完全電動車両用に開発し、農業機械セクターに新しいパラダイムを創出しています。同社では、わずか11人のハーネス電気エンジニアが、年間約50種のワイヤハーネスを作っています。

Carraro Groupのトラクター部門であるCarraro Agritaliaでエレクトリカル・コンピテンス・センターの所長を務めるPaolo Righetti氏は、「当社が力を入れているのは、土木機械と、果樹やぶどう畑用の機械の排出量削減と、機械効率の最大化です。テクノロジー、イノベーション、そして人材が当社の柱であり、ギアとトランスミッション・システムにおいて世界をリードするメーカーになるための出発点です。」と語ります。

Improving farmers’ work and quality of life

加速する生産に対応

2014年にCarraro Agritaliaが急成長したことを受けて、多忙を極める研究開発 (R&D) チームは、電気配線とハーネス設計を合理化するための新しいツールを探しました。

「Carraro Agritaliaにとって、我々が製造する車両の心臓部であるワイヤハーネスの設計はきわめて重要です。」とRighetti氏は話します。ところが、重機のパワートレインを作るための設計要件に変更が相次ぐと、旧式のシミュレーション解析ツールでは手に負えません。ソフトウェア駆動の複雑な製品に装備される機能やオペレーティング・システムの増加に対応するため、高度なソフトウェア検証と、リビジョン管理機能が必要でした。

Righetti氏によると、「既存の電気設計環境は、創業当時は十分だったのですが、組織が大きくなり、プロジェクトの数も増えると、ミスを簡単かつ効率的にエラーを追跡し、ミスを修正する仕組みが不可欠になりました。当時使っていたツールは、これに時間がかかり、面倒でした。」とのことです。既存のツールには、デザイン・ルール・チェック (DRC) の機能がありませんでしたが、DRCは当社が抱えるプロジェクトの急増に対し、次の一手として重要でした。

Carraro AgritaliaのR&Dチームが必要としていたのは、ハーネス設計と配線を統合でき、開発全体を通してデータを簡単に送ったり再利用できるソリューションでした。また、骨の折れる手作業をなくしてエラーを最小限に抑え、部品の割り当てに必要な時間を削減する必要もありました。カスタム・レポートの自動作成機能も重要でした。

Righetti氏は次のように述べています。「設計時のエラー削減が最重要課題でした。製造エラーがあると、生産が大幅に遅れ、製造が再開できるまでに、手作業で時間をかけて修正しなければなりません。」設計エラーを最終製品まで持ち越してしまうと、強制リコールが発生し、顧客や見込み顧客からのブランドに対する信用が損なわれてしまいます。「製造後の故障を防ぐために、当社は一元化したデータ管理システムと、設計の修正がしやすいプロセスの早期に試験、検証できる方法を求めていました。」とRighetti氏は語ります。

Keeping up with accelerated production

初回から正しい設計を実現

シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアのソリューション・パートナーであるHar-Techと出会い、商談を進めた結果、Carraro AgritaliaのR&D部門はVeSys™ソフトウェアを選択しました。ハイブリッド・トラクターやeトランスミッション製品など、増え続けるトラクターと農業機械のラインアップ用の電気回路図とハーネスの設計にこのソフトウェアを使用することにしたのです。Carraro AgritaliaはVeSys以外のソリューションも評価しましたが、使いやすさと費用対効果の面でVeSysは抜きんでていました。VeSysはシーメンスが提供するソフトウェアおよびサービスの包括的で統合型のポートフォリオであるXceleratorの一部です。

VeSysの強力で直感的な機能によって、ワイヤハーネス設計者は劇的な投資利益率 (ROI) を達成できます。VeSysはまた、迅速に導入でき、インストールも簡単です。設計ツールとハーネスツールは個別に使用するほか、まとめて導入することも可能なため、配線設計データを関連するハーネス設計にシームレスに送出して工数を削減し、エラーのリスクを最小限に抑えられます。

「VeSysは設計サイクル全体を通して、エンジニアリング・データと情報を簡単かつ合理的に追跡、共有、解析できる次世代ツールです。」とRighetti氏は語ります。

VeSysを使用することにより、初回からエラーのない電気/ハーネス設計を素早く実現できるとともに、将来的にさまざまな検証機能を利用できます。製造用図面や、部品表 (BOM)、コスト見積もりや製造作業に必要なファイルとレポートもすべて、自動で作成されます。VeSysは3Dコンピューター支援設計 (CAD) システムと統合しているため、3D CADで設計のモデリングを実行した後、VeSysで電気的な詳細エンジニアリングを行えます。「VeSysの大きなセールスポイントは、強力な統合機能と、さまざまなCADや、MCAD、PLMソリューションからのデータを取り込めるところです。」とRighetti氏は述べています。

VeSysは直感的で、使いやすく、ビデオ・チュートリアルや、オンライン・トレーニング、充実したドキュメント、活発なユーザー・コミュニティからのサポートが揃っています。さらに、VeSysはシーメンスのCapital™電気エンジニアリング (E/E) システム開発ソリューションと完全なデータ互換性があるため、Carraro AgritaliaはCapitalのソリューションを使っているOEMとシームレスに連携できます。

「VeSysとその新しい手法を使用することにより、当社はエラーをなくし、新製品の市場投入期間を短縮できました。また、顧客が機械の修理に時間を取られたり生産性を低下させることがないと確信しています。」とRighetti氏は話します。

Enabling the right design, the first time

コード・ライブラリの統合により、早期の検証とエラーの解消が可能

導入にあたって、Righetti氏はHar-Techの協力を得て、電気シンボルおよびCarraro Agritaliaのコードに対応する電気コンポーネント・モデルのライブラリを作成し、このライブラリをVeSysツールと統合しました。

Har-Techはさらに、試作の製作前に回路図を検証するためのチェックリストと自動試験セッションを作成しました。これによって、Carraro AgritaliaのR&Dチームはハーネスを発注する前に、検証とチェックの第一段階を実行できるようになりました。

VeSysで最新の複雑なワイヤハーネス設計の設計および検証プロセスを合理化したことにより、Carraro Agritaliaは電動トラクター市場で存在感を確立しました。2021年版Global Autonomous Electric Tractor Marketの調査レポートによると、電動トラクター市場は2021年から2027年にかけて32.7%の年平均成長率 (CAGR) が見込まれ、2027年には42憶3350万ドルに達するとのことです。

エラーの削減と試験時間の短縮で競争力を獲得

VeSysの導入後、Carraro AgritaliaのR&D部門はVeSysのライセンス数を2から7に増やし、大幅なコスト削減と生産性向上を実現しました。設計エラーの確率を25%低下させ、機能チームを増強して接続情報や回路動作を明確に理解し、何か問題があれば設計サイクルの早期に修正するようになりました。Har-Techはこのプロセスで重要な役割を果たします。Villa氏は次のように述べています。「今後、継続性、電圧降下、電流の向きや計算の設計プロセスにシミュレーションを取り入れる予定です。それにより、Carraro Agritaliaのエンジニアが従来のシステムよりも迅速かつ正確に作業できるようになるでしょう。」

Righetti氏は、「当社の目標は、農業機械や建設機械を操作する作業員の生活をよくすることです。VeSysの導入により、最高品質の機械の市場投入を早め、オペレーション間接費とリスクを抑えるとともに、排出量を削減しつつ、機械効率を最大化するという約束を実現できます。」

Gaining a competitive edge with fewer errors and faster test times
製造後の故障を防ぐために、当社は一元化したデータ管理システムと、設計の修正がしやすいプロセスの早期に試験、検証できる方法を求めていました。
Paolo Righetti, エレクトリカル・コンピテンス・センター 所長
Carraro Agritalia