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ユーザー事例

Opcenterスイートで業務をデジタル化した有名スピリッツ・メーカー

カンパリ・グループ、シーメンスのテクノロジーを使用して、あらゆる製品仕様の統一リポジトリを作成し、製品開発プロセスと製造プロセスを効率化

Opcenterスイートで業務をデジタル化した有名スピリッツ・メーカー

カンパリ・グループ

カンパリ・グループは、50を超えるプレミアム・ブランドとスーパープレミアム・ブランドを展開する、世界第6位のスピリッツ・メーカーです。

http://www.camparigroup.com
本社:
セスト・サン・ジョヴァンニ (ミラノ), Italy
製品:
Opcenter, Opcenter Execution Pharma
業種:
コンシューマー製品 / リテール

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SIMATIC IT Interspecは、短いトレーニングコースに参加するだけで誰もがすぐに使えるようになります。数十年の実績がある、実証済みの安定したツールです。
Marco Rocca , グローバルQHSEコンテンツマネージャー
Gruppo Campari

ライフスタイル・ブランドを構築

イタリア企業は多くの業界で存在感を示していますが、今やその一部が世界に攻勢を仕掛け、「イタリアン・ライフスタイル」や「イタリア製」を売り込んでいます。その1つがカンパリ・グループです。カンパリ・グループは、過去20年間に26の企業買収を行った世界第6位のスピリッツメーカーであり、現在では50を超えるプレミアムブランドとスーパープレミアムブランドを展開しています。カンパリのポートフォリオには、世界的に有名な食前酒 (カンパリ、アペロール)、ビター・リキュール (アヴェルナ、チナール、ブラウリオ)、スピリッツ (スカイ、グランマルニエ、グレングラント、ワイルドターキー、アップルトン) などが含まれています。2016年のグループ連結売上高は、南北アメリカ、南ヨーロッパ、中東、アフリカ (SEMEA) を中心に、17億ユーロを超えました。

漸進的な統合

カンパリ・グループは、買収のたびに新しい製品、工場、資産を運用管理システムに統合する必要がありました。最近では、225年続くジャマイカのラム酒、アップルトンの蒸留所を経営するJレイ&ネフュー (従業員2,000名超)、フランスのグラン・マルニエ (2016年)、ブルドッグ・ロンドン・ドライ・ジン (2017年) を買収しています。現在カンパリ・グループの拠点は58か所に広がり (自社工場18、提携先製造会社22、配送センター18)、扱う材料と仕様は数千にのぼっています。

このように進化し続ける複雑な組織の管理体制に変化が訪れたのは2012年でした。それまでカンパリ・グループは、製品仕様をMicrosoft WordやExcel®でローカルに作成していましたが、その管理手法は体系化されたものではありませんでした。標準的な文書作成 / 検証ワークフローはなく、バラバラな形式や言語で文書を作成し、情報は電子メールや電話で共有していました。

2012年、カンパリ・グループは幅広い業務プロセスのデジタル化を開始しました。シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアの構成可能な加工産業向け製品仕様管理ソリューション、SIMATIC IT Interspecを導入して「シーメンス流デジタライゼーション」を採り入れ、進めていきました。SIMATIC IT Interspecを使用すると、企業はあらゆる製品仕様 (原材料、中間製品、完成品、包装部材) を作成、構成、管理して、制御された単一のデータリポジトリに保存することができます。

カンパリ・グループでは、SIMATIC IT InterspecをSAP®エンタープライズリソースプランニング (ERP) システムと連動させて材料情報を取得していますが、SIMATIC IT Interspecをスタンドアロンで使用して、材料コードを直接SIMATIC IT Interspecに入力し、すべての有用な事業情報を管理することもできます。2017年にSAPを導入する以前、グラン・マルニエを買収した当時は、SIMATIC IT Interspecをスタンドアロンで使用する手法は有効でした。しかし同時にカンパリ・グループは、SIMATIC IT Interspecをグローバルに展開し、マーケティング、販売、輸出に必要な製品仕様書の作成に完成品情報を活用できるようにしました。

プロセスの標準化と対応の迅速化

SIMATIC IT Interspecを使用するプロジェクトでは、データの取得が標準化して合理化し、消費者や規制当局からの製品情報要求へ迅速に対応できるようになっています。 シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアのソリューションは、世界中にあるカンパリ・グループの拠点だけでなく、提携先製造会社や18の配送センターも網羅しています。配送センターは、完成品を受領して配送するほかにも2次的な作業や、顧客の好みに応じてパレット積み付けパターンを変更する作業なども行っています。「現在SAPに保存されている製品の95%の技術情報をSIMATIC IT Interspecで管理しています。」カンパリ・グループ、グローバル品質 / 健康 / 安全 / 環境 (QHSE) コンテンツマネージャー、Marco Rocca氏はこう述べています。

このプロセスは、品質情報と数量情報 (原料、原材料、中間製品、包装部材、完成品) を収集するところから始まります。50超のブランドを抱えるグローバル企業ともなると、コーディング、購入、生産、販売する在庫管理ユニット (SKU) やコンポーネントは数千にのぼります。つまり、21,000以上の仕様と関連情報を管理しなければなりません。Rocca氏は次のように語っています。「グループが拡大するにつれて、製品情報や収集方法を標準化する必要がでてきます。明確で一貫した承認フローを定義して正確なデータを収集し、世界中に効率的に配信しなければなりません。大半の文書は外部パートナーとも関係がありますが、そのうちのいくつかをサプライヤーと共有して、原材料や包装部材の要件定義に使用しています。完成品に関する文書には、生成酒の説明、アレルゲンに関するラベルなどの法的情報、飲み方や栄養価などの消費者情報をはじめとする流通や販売のための情報が含まれます。仕様には、中間製品や製品の特性に加えて、作業サイクル、つまり生成酒の製造方法が含まれることもあります。」

今日カンパリ・グループでは、こうした情報が収集されて統一のグローバルリポジトリに保存されています。このリポジトリには、インターネット経由で140名のコントリビューター (データを入力、承認する専門家) と約400名のリーダー (Webポータルにアクセスして情報を読み、文書やレポートを抽出する (主に技術外の) 各担当者) がアクセスできます。データは、世界中で一貫したルールに基づき、材料の種類に応じた標準の形式 / フォーマット、標準の言語 (英語) で取得されています。SAPで品目コードが作成されるたびに、ユーザーはSIMATIC IT Interspecで仕様を作成します。仕様承認サイクルは地域で管理されていますが、生成酒などの重要な材料タイプについては、グローバルレベルの検証を追加する必要があります。外部とやり取りするあらゆる文書 (特にディストリビューター / 提携先製造会社 / 顧客から要求される製品シートやパレタイズカード、サプライヤーと共有する材料 / 包装部材の文書) は標準化されています。

「さらに、シンプルなWebベースのアプリケーションを開発して、技術ユーザー以外のユーザーがSIMATIC IT Interspecを使用しないで、使いやすいポータルから、リアルタイムの情報にアクセスできるようにしました。製品が製造されると、世界中のあらゆる関係者がすべての検証済み文書を利用できるようになります。電話や電子メールで要求して数日間回答を待つ必要はありません。以前は、新製品情報依頼に応えるのに7日かかっていましたが、今はすべてリアルタイムです。」とRocca氏は説明しています。これが実現したのは、SIMATIC IT Report Managerを導入したからです。

Process standardization and fast response

SIMATIC ITの利点: 柔軟性と独立性

カンパリ・グループは、いくつかのソリューションの中から、その柔軟性と動作の独立性に注目してSIMATIC IT Interspecを選びました。「SIMATIC IT Interspecを選択したのは、当初から最も柔軟なソリューションであると実証されていたからです。システムを個別に構成してプロパティを追加し、新しいフレームを作成してコンテンツを編集することができます。カスタマイズしなくても、ほぼすべてを構成できます。他のソリューションは柔軟性がなく、この作業のためにシステムエンジニアを割り当てる必要がありました。

一方SIMATIC IT Interspecは、短いトレーニングコースに参加するだけで誰もがすぐに使えるようになります。数十年の実績がある、実証済みの安定したツールです。」Rocca氏は、上記のように語っています。

SIMATIC IT Interspecの導入はイタリアから開始し、実装から運用開始まで約6か月かかりました。最初のフェーズで最も重要な作業は、仕様データの標準テンプレートであるフレームの定義でした。「一番時間がかかったのはデータ入力でした。文書はプリントアウトや、良くても新形式に適応するWord / Excelファイルだったため、4か月近くもかかりました。」とRocca氏は言います。

イタリア拠点の後、スコットランド、メキシコ、ジャマイカ、アメリカ (ケンタッキー州)、アイルランド、ギリシャ、ブラジル、アルゼンチン、オーストラリア、フランスへと展開していきました。2017年末までに、カナダとフランスでもSIMATIC IT Interspecを導入し、導入プログラムはほぼ完了します。約21,000の仕様、8,000のパッケージ設計、7,000の外部サプライヤー文書 (安全性、アレルゲン、成分に関する文書) を扱うことになります。

「膨大な作業だったにもかかわらず、柔軟性が高く効率的なSIMATIC IT Interspecのおかげで、リソースを追加することなく各所での実装を終わらせることができました。合計で1,550の品目コードを扱うブラジルとアルゼンチンの3つの工場への展開も、主にデータの収集と入力を行う15名のローカルチームだけで行いました。」とRocca氏は強調しています。

統合されたコンセプト

カンパリ・グループが導入したシーメンスの技術はSIMATIC IT Interspecだけではありません。研究開発用のSIMATIC IT R&Dスイートや、加工産業で最も広く使用され、評価されているラボ情報管理システム (LIMS) の1つであるSIMATIC IT UnilabなどのSIMATIC IT追加モジュールも実装しています。SIMATIC IT Unilabは、一方でSAPと連動し、もう一方ではSIMATIC IT Interspecと連動しています。サプライヤーや社内製造部門から製品が納入されると、SAPはSIMATIC IT Unilabへサンプル検証要求を送り、オペレーターは「リリース」または「ブロック」の決定をSAPへ返します。SIMATIC IT Interspecへのインターフェースは単方向で、SIMATIC IT Interspecからラボへ仕様を転送します。「SIMATIC IT Unilabの実装は、2015年にウイスキー、グレングラントを生産するスコットランドの小規模工場から始めました。今ジャマイカの拠点に展開しているところですが、こちらは範囲と製品ミックスがはるかに複雑です。SIMATIC IT Unilabの導入で、プロセスのデジタル化と統合はもう1歩前進します。業務が合理化し、以前は手で行っていた作業や、さまざまな部署間の通信も自動化します。」とRocca氏は説明します。

カンパリ・グループはまた、SIMATIC IT Report Managerモジュールを使用して、SIMATIC IT Interspecからさまざまなタイプのレポートを抽出しています。プロファイル、地理、役割、権限その他の基準に基づいて、さまざまなユーザーがインターネット / イントラネット経由でアクセスできます。

効率の測定

カンパリ・グループが実装するアーキテクチャに含まれるもう1つの要素は、SIMATIC ITのOEE (総合設備効率) 技術を使用した装置の性能監視です。「技術仕様をいかに管理するかが喫緊の課題だったため、シーメンスとのプロジェクトが始まりました。当初からロードマップには、品質とOEEを測定するモジュールの実装も含まれていました。」カンパリ・グループ、グローバルアプリケーションディレクターPSC、Carlo Bidoglia氏は、上記のように述べています。

それまでは、データを手で収集してExcelに入力し、内部の計算モデルとルールを適用してOEEを測定していました。カンパリ・グループはイタリアの3つの拠点でOEEプロジェクトを進め、現在ではシーメンスのソリューションによる、シンプルに標準化されたデータ収集 / 処理が実現しています。生産ラインの性能を表示するダッシュボードを作成して、以前よりも正確な情報とインジケーターでメンテナンスを行えるようになりました。

「私たちはカナル・ダルバのパイロット拠点で、自動ではなく手動でデータを収集するところから始めました。その後、装置に取り付けたイーサネットカードを介してSIMATIC ITシステムを工場に接続し、停止やその原因に関する情報を収集するようになりました。このアプローチで、リアルタイムにOEEを測定します。作業シフト中のオペレーターが個々の停止を確認して解決し、最後に生産と廃棄の最終レポートを生成して実際のOEE係数を取得します。

シーメンスのOEEソリューションを使用すると、改善の可能性のある領域を特定し、工場のメンテナンスや工程の改訂中に是正措置を定義して、生産効率を向上させることができます。」Bidoglia氏は、上記のように述べています。

SIMATIC IT Interspecを個別に構成してプロパティを追加し、新しいフレームを作成してコンテンツを編集することができます。カスタマイズしなくても、ほぼすべてを構成できます。
Marco Rocca , グローバルQHSEコンテンツマネージャー
Gruppo Campari